planetscope blog

  • 2015-11-18

『猫の恩返し』やってるのかー


  華金だけど仕事してます。

『猫の恩返し』のセリフ一覧、眺めながら金曜ロードショーに思いを馳せようかな。
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  • 2009-09-27

ホームセンターに行こう


  私の気晴らしの方法の1つとして、ホームセンターに行くというものがある。
ホームセンター、そこにあるのは実用性や現実性を第一とした商品の数々だということは今更言うまでもない。

例えば、天井まである大棚に整然と陳列される、規格に従った種々のサイズの角材やベニヤ板、フローリング材などの木材、あるいは鉛の水道管やアルミニウムの金属板、またはアクリル樹脂やプラスチック素材、微妙な色合いごとに細分されてグラデーションを成すように並ぶペンキ缶、さらには建築物の外壁や内装に用いられるタイルや壁紙、細かな目的に対応して形状も素材も多様なネジや蝶番、L字型金具……

こうした物を眺めていると「あ、この壁紙の柄は我が家と同じだ」「このタイルは近所のマックのトイレのものだ」などと見覚えのある物に出会うときが時々ある。しかし考えてみれば当たり前のことで、ここにある物は全てが我々の日常生活を形作る要素であり、無駄や無意味な物は何一つとして無いのだ。(もしそんな物があれば仕入れ担当者は上司から叱られてしまうのである)

私は何を買うでもなく売場をぐるぐると歩き回り、脳内で「この板とあれをその金具で繋ぎ合わせれば便利な引き出しになるかも…」などと、実際には自分の工作力では作れないし、自分の4畳半の狭い部屋には置けないような家具や小物をあれこれ考えてみては楽しむのである。脳内の創作で出来上がる物は、単なる素材の集まりではない、まだ見ぬ何かであり、それでいて現実の生活から大きく逸脱して使えないものとなることの無いようにするのである。10畳一間の大部屋のインテリアが脳内に完成したころ、そろそろ飽きてきて家路につくのだ。

普通の人から見れば、お茶目な(お馬鹿な?)趣味という程度であろう。しかし、考えてみてもらいたい。建築関係の仕事をしている人は別として、我々の既成の日常を要素のレベルまでとことん還元し、それら要素を似たもの同士でじっくりと比較・観察し、さらにそれらの中から最適な物を選び出し最適な形に再構築してみるということがあるだろうか。具体的に言うならば、家屋数件を完全にバラしてそれを構築する素材を調べ、その上で元とは違うより良い家としてまた建て直すといったところであろう。

無論そんなことは不可能なのである。それは仕方ない。しかし問題なのは、日常の決まりきった生活に慣れた我々は、完全に意識が欠如してしまっているため、その中から最小単位となる各要素を取り出すことすら無理なのだ。こちらはする・しないの意味で無理なのではなく、できる・できないの意味で無理、ということである。

だからこそのホームセンターなのだ。先述の通り、ここにあるものは、無駄や無意味のない要素ばかりなのである。これらはまさに「標本」なのだ。自然科学の研究者は昆虫や植物、貝殻、化石、岩石や鉱物といった標本を集めて研究する。自然という広大でありふれた対象を研究するには要素に分解して1つ1つ見ていくしかないというものである。事ほど左様にホームセンターは我々の営む日常生活に対する標本室の役割を持っていると言えるのだ。

しかし、実際の自然は単なる標本の集合ではない。標本というのはあくまで自然の中からその要素をわかりやすい典型的な形で取り出したものに過ぎない。標本が即イコールで自然と結びつく訳ではない。時間の流れの中で絶えず変化する自然に典型などという概念を当てはめるのは大変難しいことだ。けれども、我々は天地全てを瞬時に捉えられる全知全能の神ではないので、標本という要素に分解してみなければ何も分からない。

そこで、標本から得た情報から自然を再構築する作業に入るのだ。ただ並べていくわけではない。過去の経験や学んできたことを総動員するのである。それはまるでいままで見たことのない物を作り出すように、それでいて日常の規則から逸脱しないように…… 

こうしてやっとの思いで形作られるのが、世界に対して人類の持ち得る「知識」なのだ。従って、私はホームセンターから帰る時に、また一歩、自分を困惑させるこの雑多な世界について知っていることが増えたのだという自信と満足に浸っているのである。全くお茶目なことだ。




※この文章はあくまでフィクションであり、実際の「私」はこんなにお茶目なことをしているわけではありませんが、用もないのにホームセンターに行くのは好きです(笑)

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Author:てるてる
沢田 輝
(@Hikaru_Sawada @IWKRterter)
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(館長のブログ)

東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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