planetscope blog

  • 2011-04-29

静岡県河津町浜 (菖蒲沢海岸の自然金&やんだの沸石)


  訪問日 2011年3月4日&5日


やんだ&菖蒲沢海岸、2回目の訪問でした。1回目の時の様子は、菖蒲沢はこちら、やんだはこちら、を御覧ください。


やんだは、新第三紀中新世中―後期(15Ma~7Ma)に噴出した安山岩、玄武岩などのマグマが水と接触することにより、沸石質変質を受けて沸石を生成している場所です。枕状溶岩、ハイアロクラスタイトなど水と接触してマグマが急冷したことを物語る構造の他、玉ねぎ状風化、柱状節理などといった火山岩の性質を観察できます。


菖蒲沢海岸は付近にあった低温金銀熱水鉱床の鉱石が流れ着いた海岸で、銀黒石英の中に数mmの自然金が付いているのが観察できる。


河津桜
↑伊豆急行の河津駅から徒歩で産地に向かう。河津桜は満開。なのに天気は季節外れの雪でした…
 かなり勢いのある雪で積もりかけていた… メチャ寒かったなぁ笑


菖蒲沢海岸
↑菖蒲沢海岸  寒い… なんて言うんだっけ?、寒さで海面から湯気が出る現象、アレが起きてたwww
 テンション下がりながらも自然金の入った銀黒を探す。


菖蒲沢海岸の自然金
↑採集した自然金 雪はミゾレに変わるも寒い。
 そんな中でテンション下がりながらも自然金が見つかるこの産地。
 この他にも数粒の自然金を採集。自分は前回の採集で十分自然金は採ったので、
 同行者のarikouさんが持ち帰った。


やんだ
↑アンディランドで一息ついて、午後は菖蒲沢海岸のとなりの鉱物産地、やんだへ。
 さすがはやんだ。名前のとおり、午後は快晴!!!雪も雨もやんだ!!!
 目の前に見える島は、左の大きなのが伊豆大島、右の小さいのが利島?式根島?、かな。


やんだ3
↑磯場は藻(わかめ?)が生えていて、苔庭のようだった。鮮やかな黄緑色がとても綺麗だった!


やんだ2
↑やんだの沸石を産する露頭。左端に写っているのは同行者のarikouさん。
鉱物採集の文献では、枕状溶岩と書いてあるのが多いけど、中に入っている枕の質が明らかに違うものが入っていることや層理が視えることなどから、これはハイアロクロスタイトなんじゃないかなぁ、とか思う。どちらにしても、マグマと海水が接触してできた物です。
 沸石は枕の間の隙間よりも、枕の中の空洞にある方が圧倒的に多い。


前回の採集でモルデン沸石は立派な標本が十分に採集で着ていたので、今回の狙いはダキアルディ沸石に絞っていました。ダキアルディ沸石はNaとCaで固溶体をなしますが、やんだのダキアルディ沸石は灰ダキアルディ沸石です。


やんだ ダキアルディ沸石の晶洞
↑上の写真の露頭で見つけたダキアルディ沸石の晶洞 ダキアルディ沸石は灰色の板状結晶が球状に集合して産し、色は擦りガラスのような灰色である。この晶洞のダキアルディ沸石は表面に微細な輝沸石の結晶がかぶっている。晶洞中央に見えるいくつかの結晶は輝沸石をかぶっていない。
ダキアルディ沸石ではなく、はじめから輝沸石が球状集合したものもあるので、見分けには注意が必要。てか、現地では、「どーせ輝沸石だろ。まぁ綺麗だし少し持って帰るか」って感じで採集していて、家に帰ってからダキアルディ沸石だと気が付きました(笑)


ダキアルディ沸石
↑晶洞の周り一体を切って持って帰れればかっこいい標本になるところでしたが、この晶洞、やや見上げるようなところにあってとても採集が困難だった… 仕方ないので小さい標本で我慢。それでもルーペで見るとなかなか見ごたえがあります!


ダキアルディ沸石2
↑別の晶洞から採ったダキアルディ沸石。こちらのほうが結晶も大きく立派!
画像幅約10cm これも露頭の固い安山岩のなかから採集した物。腕がとても疲れたが、いい標本が取れて大満足♪


ダキアルディ沸石3
↑上の標本のアップ画像


ダキアルディ沸石4
↑上の標本を採った安山岩の塊は幅40cmほどでしたが、その中には1,2cmの小さな晶洞にダキアルディ沸石が付いているようなものがたくさんあり、採集するために露頭を叩いている間に沸石の部分だけが採れてしまうことも多々あった。勿体無いので落ち穂拾いして持って帰ってきましたw 画像幅約4cm


ダキアルディ沸石5
↑上の写真の真ん中に写っているもののアップ画像


※露頭での採集は落石の危険があるので、必ずヘルメットを着用しましょう!
 良い沸石が見つかったからと行ってすぐに喰らいつかず、上から落石がないか慎重に判断してから採集するようにも気をつけてください!


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  • 2011-04-23

寝姿山のラムスデル鉱 鉱物採集


  静岡県下田市の寝姿山の山体は、新第三紀中新世中-後期(15Ma~7Ma)の白浜層群に分類される火山性堆積岩と、それ貫入するほぼ同年代の湯ヶ島層群に分類される流紋岩からなる。寝姿山の流紋岩は特にカリウムに富んでおり、紫色を帯びている。この流紋岩中の脈に、熱水活動による二酸化Mn鉱物が微細な水晶を伴って生成している。地表に近く酸素分圧の高い条件でMn鉱物が生成したため、一次的にラムスデル鉱などの二酸化Mn鉱物になったのだと考えられる。

寝姿山の鉱物産地の場所は、松原聡『鉱物観察ガイド』などを始め、様々な書籍などで紹介されている。先に訪ねた友人の中には産地に辿りつけずスカだったという者も少なからずいたが、上記の書籍を参考にしていけば大体は辿りつけると思う。道に迷わなければ伊豆急下田駅から徒歩15分程度でたどり着く。山腹の割りと広い範囲にラムスデル鉱を含む転石が大量にあった。また、一部には二酸化マンガンではなくシリカの脈に切られた流紋岩もあり、空隙が大きい場所には透明の小さな水晶の自形結晶が沢山生えている。

◆寝姿山の鉱物産地の様子(2011年3月3日訪問)
寝姿山(鉱物産地)
↑寝姿山中腹の雑木林の中に落ちている紫がかった流紋岩の中から探す。

寝姿山(鉱物産地)2
↑転石の様子。当たり前ですが、流紋岩ばっかりです。

寝姿山(鉱物産地)3
↑集中しているところにはほとんどすべての流紋岩に何かしらのマンガンが付いている感じです。
 その中から美しいラムスデル鉱を含んでいるものを探します。
 ラムスデル鉱の量自体はたくさんあり、光沢を保っているものも少なくありませんが、
 銀色にギラギラと輝く柱状結晶がたくさん立ち並んでいるような物はなかなか見当たりません。



◆採集した標本

寝姿山のラムスデル鉱
↑画像幅約35cm 流紋岩を割ったら、パカっ!と針状放射集合の銀色のラムスデル鉱が出てきた!
 これぞ鉱物採集の醍醐味である(^0^)

寝姿山のラムスデル鉱2
↑画像幅約5cm こちらは粒状の結晶の集合。上の標本を持ち帰るために小割りしていたら出てきた。

寝姿山のラムスデル鉱3
↑画像幅約10cm やや大きめの空洞には針状~柱状の美しい結晶が成長していることがある。

寝姿山のラムスデル鉱4
↑画像幅約10cm 
美しいものではないが、流紋岩の中に熱水が染み渡ってラムスデル鉱ができたのだっということが見て取れる品なので持ち帰ってきました。

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Author:てるてる
沢田 輝
(@Hikaru_Sawada @IWKRterter)
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(館長のブログ)

東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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