planetscope blog

  • 2014-04-03

国産新鉱物 ランタンフェリ赤坂石とランタンフェリアンドロス石


  日本産新鉱物の「ランタンフェリ赤坂石」「ランタンフェリアンドロス石」の2種類について、少しメモを。


 山口大学、東京大学、愛媛大学の3者は4月2日、レアアースのランタンを主成分に持つ2種類の新鉱物を三重県伊勢市矢持町菖蒲より発見し、「ランタンフェリ赤坂石/Ferriakasakaite-(La)」と「ランタンフェリアンドロス石/Ferriandrosite-(La)」と命名し、国際鉱物学連合(International Mineralogical Association:IMA)の新鉱物・命名・分類委員会(Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification)により新種として2014年2月3日に承認されました。
 この鉱物産地では既に「伊勢鉱」「ランタンバナジウム褐簾石」「今吉石」といった新鉱物が記載されています。肉眼鑑定は極めて難しい小さな鉱物ですが、今後もまだ発見が期待できるかもしれません。

◯愛媛大学のプレスリリース
  大学院理工学研究科の皆川鉄雄教授らの研究グループがレアアースを主成分に持つ二種類の新鉱物を発見しました【2月3日(月)】

山口大学のプレスリリース(PDF 詳細な解説あり)

◯東大電子顕微鏡室のページ
 新鉱物の解説ページ » ランタンフェリ赤坂石&ランタンフェリアンドロス石
美しい標本画像と肉眼鑑定のポイント、また鉱物学や地質学の解説が載っています。


まだ承認されただけなので、これから記載論文が出るのでしょうか。

プレスリリースやニュースサイトでは、レアアースを含む新鉱物として資源的意味について言及されていますが、実質的にこのような微細な鉱物が商業的価値を持つ鉱石となることはほとんど全くありえないでしょう。かと言って日本でこのようなレアアース資源が完全に望みが無いかと言われるとそうでもありません。

秩父帯を始めとする日本の付加体に分布する層状マンガン鉱床は高度成長期まではマンガン金属資源として、その後の一時期は製鉄原料のマンガン珪酸塩として、それぞれ採掘されましたが、現在では全て閉山しています。
しかしこれらの地質体が再びレアアース資源目的でひょっとすると採掘に至るかも、とほのめかしています。海洋プレートは常に沈み込みが起きているので、最も古い太平洋プレートでも2億年よりも古いものは残っていない。付加体は遠洋性物質を保存するほぼ唯一の地質体です。現在、深海底のマンガンノジュールや海底泥のレアアース資源が莫大な埋蔵量であるとして注目されていますが、採算が取れず、商業的な採掘には至っていません。
それよりは陸上で岩石となっていて密度も高まっている付加体中の遠洋性堆積物であるチャートやシェールの方がまだ望みがあるのかもしれませんね。わかりませんけど笑
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Author:てるてる
沢田 輝
(@Hikaru_Sawada @IWKRterter)
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(館長のブログ)

東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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