- 2010-10-01
野外実習1@野辺山宇宙電波観測所
9/27~30にかけて、大学の実習で野外の地質や地球惑星科学関連の施設を見学してきました。
この記事では、1日目の長野県にある野辺山宇宙電波観測所について書きます。
野辺山宇宙電波観測所では、太陽を含む星、太陽系外の惑星、星間ガスの分子、その他の宇宙天文現象から発せられる電波を観測して宇宙について研究している国立天文台の施設です。電波は光(可視光線)などと同じく電磁波の一種ですが、波長が長いため大気による減衰が少なく、地上でも天候などに比較的左右されずに天体の観測ができます。
だからといって、天気が悪くてもいいかと言うと、やはり精度が落ちますし、何しろ見学している人間のテンションも落ちます笑 気温10℃程度の雨の中の見学だったのでとても寒かったwww

↑入ってすぐ、口径10mのパラボラアンテナがたくさんあるのが目につく
これは干渉計(開口合成型電波望遠鏡)と言って、沢山のパラボラを観測対象に向けることにより、
大きなパラボラ一つと同じような観測ができるというものです。
主な観測対象は、星形成領域や星間分子雲、近傍系外銀河やクエーサー母銀河などです。

↑観測対象によってたくさんあるパラボラを移動させるため、線路が敷いてありました。
台車に乗せて10mものアンテナを運ぶそうです。

↑そして奥に入ると、45mの巨大パラボラアンテナが現れる!
いや~、実際に見ると本当にデカかった笑
ミリ波の電波を観測する電波望遠鏡としては世界最大級。
このパラボラは受信だけだが、発信もするものはもっと大きいものもあるとのこと。
いくつもの新星間分子、原始星周囲のガス円盤、ブラックホール存在の証拠の発見など、
世界的に重要な観測成果を出し続けている素晴らしい望遠鏡の1つです。

↑45m電波望遠鏡には三菱電機のプレートが付いてました。
この観測所には、紹介したほかに電波ヘリオグラフといって、直径80cmのアンテナ84台を東西490m、南北220mのT字型の線上に配置した太陽観測専用の電波望遠鏡などがあります。
一般の方の見学もできるので興味ある方はぜひ♪
~予告編~
次からの記事では、2日目以降に見学したカミオカンデやフォッサマグナの地質について書きますのでよろしく(^^)
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