- 2010-12-01
異常震域!
今日、2010年11月30日の昼12時頃、関東付近で地震が起きましたね。結局震度3でたいしたことなかったのですが、久しぶりに結構揺れたのでテンションが上がってしまいました笑
それ以上にテンションが上がったのは、気象庁のHPで震源と震度分布を見て異常震域だったからです。
異常震域とは何でしょうか?
普通、地震は震源に近いところが震度が大きく、離れるに従って震度は小さくなっています。ところが、異常震域では、震源から遠いところのほうが震度が大きくなっている場合のことを言います。
ウィキペディアにわかり易い例があったのでまずそれを見てみましょう。

震源が中国地方の日本海沖にあるのに、揺れたのは主に北海道から東北、関東といった地域になっています。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか?それは地球内部の構造に原因があります。
通常の地震は、大陸プレートと海洋プレートの境界(すなわち海溝)で起きる「プレート境界型」と言われるものか、もしくは大陸プレート内部に存在する活断層によるものです。異常震域をもたらすのは、海洋プレートの深いところで発生する地震で、深発地震と呼ばれています。図に示すと以下のようになります。

これは日本のようなプレート沈み込み帯、すなわち大陸プレートに海洋プレートが沈み込んでいる場所の断面図です。×印は地震が発生する場所、すなわち震源を表しています。
大陸プレート中にある×印は活断層によるもの。そして大陸プレートと海洋プレートが接している場所にある×印がプレート境界型と言われる地震。そして、それよりもずっと深い海洋プレート中にある☓印が深発地震と言われるものです。
深発地震では、真上が高温で少し柔らかくなったマントルであるため、地震波が伝わりにくくなっています。マントルは固体ですが、上部マントル(アセノスフェアと言われる部分)では、温度と圧力などの都合により柔らかくなっているのです。
しかし、地震波は固い海洋プレートに沿った方向ではよく伝わって行き、海溝付近で大陸プレートの方まで伝わっていきます。(図中のピンクの矢印参照)このように地震波が伝わった結果,震源の真上ではほとんで揺れが見られず、離れたところでよく揺れるという異常震域が発生するのです。
では、以上のことを踏まえて、今日の震源と震域の分布を見てみましょう。(気象庁のHPより引用)

「震源地は小笠原諸島西方沖 ( 北緯28.4度、東経139.7度)で震源の深さは約480km、地震の規模(マグニチュード)は6.9と推定されます。」と書いてありました。
これは異常震域の中でも更に異常な感じになってるような気がしますね笑
なぜこのような震域分布になるかは、日本の周りのプレートの沈み込み方を見てみるとよいでしょう。ヒントとして以下の画像をこのサイトから引用しておきましたので参考にして考えてみてください。
ヒントを追加すると、「太平洋プレートはフィリピン海プレートとユーラシアプレートに沈み込んでいて、フィリピン海プレートもユーラシアプレートに沈み込んでいる」ということを言っておきましょう。日本付近はちょっとプレートが入り込んでいて難しい場所なんですよね。。。

まぁ、今日はこのへんで^0^/
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