planetscope blog

  • 2011-01-09

バラー沸石 Barrerite


  和名のとおり、沸石の一種です。和名はバレル沸石ということもあるそうですが、ネットを観ているとバラー沸石のほうが広く用いられているようなので、タイトルは「バラー沸石」の方を採用しました。学名の発音を聞いていると「バラァェゥアイト」みたいな感じなので、どちらでもよさそうです。

・基本データ
(Na,K,Ca0.5)2Al2Si7O18•7H2O
斜方晶系 Orthomobic
白色~薄桃色
硬度 3~4
比重 計測値2.3 理論値2.08 
劈開 完全(一方向?)

※mindat.orgを参考

Barrerite1
↑バラー沸石Barreriteの標本 Loc.Kuiu Island,Alaska USA
 標本の幅約12cm

Barrerite2
↑標本の写真その2

Barrerite3
↑標本の裏側 母岩の様子
 晶洞の表面が剥がれたような標本なので母岩の岩石は殆ど付いてません。
 細かい水晶の上にバラー沸石の結晶が成長してる感じです。

Barrerite4
↑結晶のアップ 束沸石にそっくり!



この標本は細かい水晶の結晶の上に平板状、ややピンクを帯びた白色の真珠光沢の結晶として成長しています。小さいものは透明度が高くなっているものもあります。

結晶の形から、一見すると、束沸石か輝沸石のようです。というか、区別できなさそうです…
束沸石と輝沸石は共に単斜晶系、バラー沸石は斜方晶系なので結晶系が違います。結晶系からみるとステラ沸石のCaをNaに置換したものに当たります。
バラー沸石は斜方晶系ということで、単純に考えるならば板状の結晶なら重晶石のようになるはずなのですが…そう簡単でもないみたいです。そもそも束沸石が成長や成分の条件によっては他の結晶系の面を持ったりするようなので、そう簡単に見分けられないです。。。

バラー沸石はピンク色を帯びていることが多いのでそこで区別できるかな。光沢も独特の真珠光沢のようで異なるように感じます。まぁ、言われなきゃわからないけど…
写真の標本はアラスカのもので原産地標本でもあります。この産地では熱水による変質を受けてノントロン石化した粗粒粗面玄武岩(ドレライトdolerite)の中の脈に輝沸石を伴って生成した物である、とK標本店のラベルには記載されていました。
「安山岩、流紋岩、スカルンの中に脈をなして産し、共存する種数が少ない」ということも書かれていました。Naが多いということで、「比較的花崗岩寄りの」成分を持つ岩石で生成するのでしょうかね。もっと「玄武岩寄りの」成分のもとではCaの多い束沸石などができるのだと考えられます。






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沢田 輝
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東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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