- 2011-03-02
3-2 千葉石の発見から今後の地球科学を考える
本館planetscopeで千葉石の特集ページ作りました!
http://teruteru.bakufu.org/Chibaseki.html
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◆今後の地球科学を考える?、それとも石オタクの妄想???
千葉石という鉱物は、「石なし県」で見つかった新鉱物という事実以上に、特殊な鉱物であると思います。
そんな千葉石から地球科学の今後を考えてみる、とかカッコイイ事言っては見たものの近未来を妄想してみたw、といったほうがふさわしいのかなって感じですね(^皿^;)
◆時代は流体へ向かう?
いままで鉱物学も地質学も、有機物の流体の存在をあまり考えずに進んできました。有機物に関しては、「有機物=生物が作る物質」という伝統のせいなのか(?)、石炭地質学、石油地質学のような特殊分野の扱いになっていたようです。 これらの分野は当然のことですが、莫大な権益がかかっているためそっち方面の研究中心になっています。
けれども、いまや、固体地球内部の無機物質的な探索はかなりの範囲が終わっているのではないか?東工大の自分の学科の先生方の研究をを見ているとそう思うことが、あったりする。
廣瀬先生のダイアモンドアンビルによる研究により、地球の中心までの物質を合成できるようになり、内核の鉄の結晶構造が解明されたようです。丸山先生の地震波トモグラフィに基づいたプルームテクトニクスにより、地球内部の大まかな動きはかなり説明できるようになりました。
もちろん、そういった方法を用いても地球惑星科学の細部は全く詰まっていないと言えばたしかにそのとおりです。研究すべき謎は五万とあります。しかし、未だ残されている研究されるべき大まかな構造はなにか?と、考えてみると、固体地球内部の水や有機物などの流体が、どのように地質現象、固体惑星物理に影響を与えているか、こういったことだと思います。
地殻表面の鉱床に関するものから、地球のコアの鉄の他の副成分まで、固体地球の内部では様々な揮発性の流体が蠢いているのではないか?
その有機物が、金属元素などの無機物質と錯体を作ってうごめいていたら?
それが地下の原始的な微生物などの生命活動に影響を与えていたら?
私なんぞが言うまでもなく、こういう考えはいろいろ湧いてきていますが、それらは実証性が極めて乏しい状態です。なにぶん、「揮発性」であるから追跡するのが難しい。地球内部など、ただでさえ情報が手に入らないのに、その中から「揮発性」で「流体」なヤツらを捉えるなどメチャむずいw

↑今回発見された包接化合物である千葉石
もちろんこれもありますが、このほかにも、石マニアとしては古くから知られている標本として、

↑有機物コロネンが分子結晶と化した有機鉱物(カルパチア石Karpatite)

↑パキスタンの石油入り水晶
このように、無機結晶中に閉じこめられた流体、
こんなものたちが、将来の研究の役に立っていくのでは?と感じたりします。もちろん、そんなことはとっくに注目されているんですよね…
その先、何に注目すればいいのか、そこに至れない。
至りたい!!!(´∀`)
今回の千葉石発見ものがたりを見てそんなことを思ってましたのでしたよ(^^)
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