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  • 2012-11-08

シカクいアタマとマルいアタマを使い分けする


  思考メモ。


地球惑星科学の特に地質学をやってて、数式とか使わずになんとなく思考していると、
地球が3次元球体であるということをうっかり忘れてしまうことが、ままある。
いや、バカバカしい話なのですがこれが実はかなり重要なのだ。


・地向斜造山論からプレートテクトニクスへ
 有名な話ですが、地向斜造山論は垂直的な思考のみで地質構造を説明していたのに対し、
プレートテクトニクス(PT)と付加体による思考は水平的な広がりを導入することでパラダイムシフトを引き起こした。


・PTの問題点からプルームテクトニクスへ
 PTはそもそものプレート運動の原動力を説明できない、三大海洋の性質の違いの説明ができないなどの問題を抱えていた所に、プルームテクトニクスという垂直方向のテクトニクスを導入した。すなわち、地球表面という水平的なPTからさらなる全球的なプルームテクトニクスに発展した。


・球殻的に地質構造やテクトニクスを考えなおす
 たとえば、日本海形成について「観音開きモデル」という仮説があるが、これがもし正しいとすると、大西洋の中央海嶺の延長で日本海東縁変動帯で地殻の二重化が起きているように、どこかで地殻の二重化などが起こるはずであるが実際にそのような構造は確認されない。これは球殻的な思考が足りないためではないかと思う。地球は我々の日常感覚に対しては十分に大きいためデカルト座標系のような思考ができるが、ダイナミクスを考えるには水平方向と垂直方向でできたシカクい座標ではなく球座標系を用いた思考が必要になる。
 より深部についても、水平的な思考に対してプルームテクトニクスという垂直方向の思考を導入するだけでは不十分で、付加体の一方的な成長ではなく、付加と構造侵食のバランスによる物質移動を考えなければならないだろう。さらに、プルームテクトニクスの駆動力として、構造侵食によって遷移層付近に形成される花崗岩質物質の溜まり場として「第2大陸」が考えられる。この第2大陸もマントルにおける種々の物質の密度構造から、水平的な運動をしていると考えられている(もしかしたら引きずられて垂直方向の運動もあるかも…)


・思考の座標系を選ぶ
いつもいつも球座標系を使うのは酷である。地球は大きい。対象とする系の大きさと地球半径を比べてどれくらい「球体性」が現れるかを意識しつつ、必要に応じて座標系を行き来して思考できるようになりたいものだ。


・そして定量化へ
思考だけではしょうがないので、やはり定量的にこういったことを示す方法を考えなければならない。一方で、いくら実験データを揃えてもそれを解釈する思考がないと良いモデルを立てられない。


散漫として終わってしまいますが、以上メモとして。
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沢田 輝
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東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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