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  • 2013-07-09

Memo: 玄武岩とか火山岩類の分類


  イマイチよくわからないですよね。
火山系の人がいろいろな用語を使っていて、なんだかなぁってなる。
メモなので、内容に関してはまだ訂正するかもしれませんけど、いちおう。



・ピクライト
歴史的経緯からこの岩石名の使用方法は色々と混乱しているようである。
以下は岩石学辞典から引用
『チェルマクが橄欖(かんらん)石に富む玄武岩または輝緑岩に命名したのが最初で,長石を含むかんらん岩やアルカリ組成で輝石,角閃石,黒雲母,アナルサイムなどを含む岩石にも使用される[Tschermak : 1866, Rosenbusch : 1877].古い使用法は現在も使われているが,かんらん石に富む玄武岩熔岩でアルカリ質でないものはピクライト玄武岩やピクライト─ソレアイトと呼ばれている[Tomkeieff : 1983].橄欖石が多いかんらん岩で,かんらん石が全体の1/2~3/4の容量を占めている.斜長石は10~25%である.副成分鉱物として斜長石と輝石(角閃石,黒雲母)を含んでいるもの.少量の長石を含むことで橄欖岩と区別される.』
と書かれており、かんらん岩の一種のように書いてある。さらに同辞典の”ピクライト玄武岩”の項には
『優黒質なかんらん石玄武岩で,かんらん石と普通輝石Augiteの微斑晶を含み,石基には多量の普通輝石と少量のラブラドライト(斜長石)が含まれる[Quensel : 1912, Holmes : 1916].ワシントンは類似した岩石にこの名称を使用しているが[Washington : 1923],ワシントンのいう岩石はかんらん石がさらに多いものである.ピクライト玄武岩(picrite-basalt)の他にピクライト質玄武岩(picritic basalt)があるが内容は同じである.この岩石名はチリ,ファン・フェルナンデス(Juan Fernandez)諸島のマサフエラ(Masafuera)島の岩石に最初に用いられたので,後にヨハンセンはマサフエラ岩(masafuerite)と呼んだ[Johannsen : 1937].』
とあり、ますます混乱する。
現在のところの”ピクライト”という岩石名の使われ方ではかんらん石の斑晶を多量に含む玄武岩の一種で,典型的なものはかんらん石を50%以上含むもの、とされているようである。かんらん石が20%程度以上で50%以下の場合はピクライト質玄武岩と言う。 ただし,かんらん石斑晶が少ない岩石でも化学分析結果がMgOを12wt%以上含む場合はピクライト(または高Mg玄武岩)と呼ぶことがある。というのは、玄武岩では鉱物の粒が極めて細かいことが多く、かんらん石のモード組成を測定できない場合は化学分析を使うからであろう。
ピクライトやピクライト質玄武岩は、マントルでかんらん岩が部分溶融してできた初生的なマグマ(初生玄武岩)が直接地表に噴出したものである可能性が高圧実験の結果などからも指摘されていて注目されている、らしい。

・カンラン石玄武岩
例によって岩石学辞典によると
『低Ca-輝石がなく,かんらん石が主で50%を超し,斑晶および石基に産する玄武岩[Rosenbusch : 1896].普通輝石はアルカリ橄欖石玄武岩のようにTiに富むものではない.粒の間を埋めるガラスはあるが,ネフェリンやアナルサイトを欠いている.普通の玄武岩である.』
とあり、ピクライトとの違いは低Ca輝石(=主にEnのようなOPX)の含有の有無であるようだ。

・ソレアイト質玄武岩
岩石学辞典より
『広く分布している玄武岩の一種.斜長石の斑晶を含む斑状の玄武岩で,普通輝石と低Ca-輝石(ピジョン輝石,OPXまたは両方)の両方を含んでいる.かんらん石はあったりなかったりで,あっても5%容量比以下で斑晶として存在する.かんらん石はけっして石基には産出しない.』
とあり、前2つとくらべてかんらん石が少ないということを特徴としている。
さらに、今回は書いていないが”アルカリ玄武岩”という珪酸塩分に乏しい玄武岩も存在するが、それに対してソレアイト質玄武岩は
『結晶の間を埋める石基はガラスを含み,アルカリ量に対して少々SiO2に過飽和である.』
とあるように、珪酸塩分に富んでいることがわかる。
すなわち、一般の島弧玄武岩のような分化の進んだ玄武岩はソレアイト玄武岩になると考えられる。


一方で、島弧玄武岩や島弧火山岩類には、「カルクアルカリ系列」というものも存在する。


・ソレアイト系列とカルクアルカリ系列
「系列」という言葉にあるように、玄武岩からフェルシックな方へと結晶分化していくことが想定されて使われてきた火山岩類の分類用語のようである。昔は中間質~フェルシックな火山岩類をすべて初生玄武岩からの結晶分化で進化したものだとしていたようだが、現在ではスラブメルトによる生成や、大陸地殻メルトとのマグマ混合も考えるのが一般的で、結晶分化によるフェルシック岩はきわめて稀なものとなる。
さて、カルクアルカリ系列とソレアイト系列の違いは、「フェルシックな方へと行くにしたがってFeO/MgO比が変化するかどうか」ということで決まっている。FeO/MgO比がほとんど変わらないものがソレアイト系列、比が下がっていくものがカルクアルカリ系列である。
ではなぜこの比が変化するかというと、主な原因としては磁鉄鉱Magnetiteの沈殿が起こるかどうかで決まっているらしい。さらに、磁鉄鉱の沈殿が起こるかどうかは、マグマの含水率で決まっているらしい。
島弧火山フロントで典型的に見られるソレアイト系列は、水が少なくドライなマグマでかんらん石、輝石、斜長石の結晶分化によってできるとされているらしい。一方で、水が多いと斜長石のリキダスが下がりメルト中のアルミニウム量が多くなるので、ソレアイト系列と比べて相対的に磁鉄鉱の晶出を早めてFeO/MgO比が結晶分化とともに下がっていく。
「らしい」と書いたのは、まだ研究途上のテーマであるからである。少なくともこの2つの系列の用語の定義はFeO/MgO比で定義されている。上の説明だとそもそものマグマの含水率の違いで2つの系列が生じているようだが、もう1つの説明として角閃石の沈殿が起こるかどうかでこの2つの系列を生み出すことができる。角閃石は含水造岩鉱物でありおよそ「輝石+H2O」であるが、FeO/MgO比が輝石よりも高くなる傾向にある。角閃石の安定領域は含水鉱物であるから当然輝石よりも低温側になるが、もしマグマの含水率が高くても高温であれば角閃石は晶出しないためソレアイト系列に、含水率が高くて温度が低いマグマであれば角閃石が晶出してカルクアルカリ系列に、というような含水率がともに高くても分化の温度の違いによるものであるとする説明も可能になる。


とまぁ、ここのところ見たり聞いたりした中で得た情報を軽くまとめてみました。
最初にも書いたとおり、この辺の用語の使い方はいろいろな感じがして、まだまだ訂正が必要になるかもしれません。
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東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
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