planetscope blog

  • 2014-05-05

或る断面図


  ヒトは2次元以上のものを、一目で認識することはできないのかもしれない。
しかしこの世界には3次元の空間と1次元の時間、それは一方向性と不可逆性を持っている、が存在する。
ともすれば、我々が世界を理解するには、それら4次元の中の断面図を描くことが必要になる。
或る断面図は、もし至って素直に凡人が思いつくままにこの4次元時空の中に引かれたものであるならば、この世界の複雑さと理解し難さを映しだすだろう。
また他の断面図では、もしかすると、或る特異な才能を持った者から投影された断面図では、この4次元世界の中で美しく綺麗なものを選択的に、合理的に、我々の眼前に映し出し魅了するものかもしれない。
この視点は、ある種の才能に裏付けられたものか、もしくは長い経験の中で培われたものなのかもしれない。ともかく、通常のヒトが追体験することは難しいものであろう。しかし、その特異な彼らの描く断面図を解釈し、懐に入れ、そして愛しむ事は可能である。
ところが、あらゆるヒトが追試可能な絶対的真実は1つしか存在しない。描かれた美しい断面図が誤りである可能性は往々にしてあることである。
断面図とはつまり、好奇心に基づく破壊的衝動、あらゆるものを知識として自らの中に取り込み支配下にしたいという欲望、を超越する知性による答えであると言える。
もし美しく綺麗な魅力的である断面図が、誤りであったことが明らかになった時に、その美しさを切り捨てて前に進む覚悟はあるか、自らの手で新たな綺麗な世界を切り開くことはできるのか。常に愛おしさによって描いた世界を疑い続け前に進む覚悟はあるのか、と知恵は我々に問いかけている。
実際には、大半のヒトは知恵に到達する前に死ぬ。
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沢田 輝
(@Hikaru_Sawada @IWKRterter)
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東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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