planetscope blog

  • 2014-07-03

地向斜造山論の再評価についてメモ


  地質図を描くと、大規模地質構造は帯状に分布する事が多い。堆積岩のみなら地層累重の法則で説明が付くが、火山岩や深成岩、変成岩もこのような分布を取ることを説明するには何らかの大規模なテクトニクスを導入しなければ説明できない。
このような規則的な構造を地向斜造山論はだんだん深くなっていく海底という垂直方向のテクトニクスで地体構造発達史を解釈した。これはPTが誕生するよりもはるか昔、19世紀後半のことである。
さらに、岩相によって「ミオ地向斜Miogeosyncline」「優地向斜Eugeosyncline」分類できるとした(Marshall Key, 1949)。これらはそれぞれ、受動的大陸縁辺と付加体にほぼ対応する。日本の教科書で地向斜造山論を紹介する際には後者についてしか触れられていないことがほとんどである。
ユー地向斜についてはPT登場以降すでに完全に付加体Accretionary Complexに取って代わられた。もちろん、デュープレックス構造などの日本流の詳細な付加体地質学は普及しておらず、岩相による判断や、highly deformed、melangeなどと表現されているだけなことが多いが…
しかし、ミオ地向斜については2000年代に入って以降の論文でもしばしば見られる用語である。付加体のような水平方向の地殻圧縮を伴うセッティングでは垂直方向の地向斜造山論では全く説明できない話になってしまうが、中央海嶺の拡大に伴って徐々に沈降していく受動的大陸縁辺のセッティングは地向斜論でもそこそこ十分な説明をつけて考えることが可能である。もちろん、拡大に伴う地殻の薄化があるので地向斜論とPTによる説明で異なる点はある。しかし、PTが本当に存在したかどうか最近までアヤフヤであった太古代や原生代の地質体を説明するには地向斜造山論はかなり長いこと息をしていたといえよう。
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沢田 輝
(@Hikaru_Sawada @IWKRterter)
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東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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