planetscope blog

  • 2015-05-27

宝石の国 1~4巻までの感想


  最近Twitterで知って、ハマっているマンガについて。ちょっとネタバレありますが、公式の宣伝動画だけでも見てください!!


""今から遠い未来。地上の生物が海に沈み、海底の微小な生物に食われて無機物となり、長い時間をかけて結晶となった宝石生命体、のような存在が生まれた。その宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人戦う…""


…というマンガ『宝石の国』。要するに、とても簡単に言うと、鉱物の擬人化ですが、人間の鉱物化といったほうが良いですね。登場人物(宝石)は鉱物名や宝石名で名付けられており、体が実際にその鉱物の材質でできてます。
主人公はフォスフォフィライト(燐葉石)と、マニアックなところを突いてくる! 

ブームに乗って鉱物を萌え系の美少女イラストと対応させた本が出たりしたこともありましたが(何故か監修が松原先生だったり…)、そんなヤワな本とは格が違います。
登場するキャラクターたちも、コメディなストーリ展開もほんわかしてて終始ほんわりと美しい絵の並んでいるマンガですが、読んでビックリの骨のあるSFマンガです。

細かいストーリーやキャラクターの考察はほかのサイトでもたくさん取り上げられてますが、いくらか気になったこと。
まず幾度もの天体衝突で滅びた後の地球という設定、宝石たちの暮らす小さな陸地が三ヶ月形ですが、これはインパクトクレーターの跡のように見えて仕方ありません。上のムービーでも作戦立案の地図を見ると三日月型の陸地が見えると思います。
多重衝突して三日月型の陸地が残り、その隙間に堆積岩ができてこういう形になってるのかな―なんて考えていまします。
未来の地球ではなく、できたての冥王代の地球(45-40億年前)の想像図が最近出されています→こちら。 これは隕石のインパクトを重視したモデルで未だに議論が続いてますが、インパクトがたくさんあるとこういう世界になって宝石たちの暮らす陸地もできるのかなー、などと妄想の材料には良いです。

滅びたニンゲンは、骨、肉、魂に分かれ、骨に対応するのが宝石であるという設定。あのウェントコリスス王が女体の心の姿になったところはハッとするほど美しいシーンでしたが、月人という設定もここでようやく魂としてニンゲンの一部だったことが明らかになります。
ニンゲン滅亡以降のニンゲンが、こういう風に複数の種族に分裂する設定は数多く見られますが、SFの古典で言うとハーバード・ウェールズの1895年の『タイムマシン』が一番大元かと思います。小説の方は独特の淡々とした話の展開で、当時のはやりもあってやや社会主義的な世界観があります。
 この大本の小説『タイムマシン』よりも『宝石の国』に近いのは、比較的最近2002年、ドラマチックに仕立てた同題の映画がありますので、それを見てみると良いかもしれません。原始的で平和な生活をするヒトっぽい種族と、それらを捕獲し人肉を喰らう類人猿みたいな見た目で科学技術を受け継いでいる地下で労働する種族、そしてそれら2つの種族を超能力で支配する宇宙人的な見た目の種族…という感じの設定です。まさに3つに分裂して、宝石の国の設定そのものかもしれません。
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沢田 輝
(@Hikaru_Sawada @IWKRterter)
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(館長のブログ)

東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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