- 2016-08-05
『シン・ゴジラ』の官僚にむしろ親近感が湧く件
とりあえず言っておきますが、相変わらず『シン・ゴジラ』はネタバレしますので、観てない方はこの画面を閉じてすぐに映画館に行きましょう。
ネタバレが目に入らないようにスペース空けとくため、予告編の動画でも貼っておきますね。
さて、『シン・ゴジラ』の登場人物は大半が官僚で一部に与党議員、といった形をとっています。
正直これを見た時は「攻める設定だなー」って思いましたよ。そしてなおかつ思ったのは「こういう官僚を主題に入れたパニック映画を待っていた!」
自分が国立大学の院生で、友人知人先輩後輩に官僚やその他公務員となっていく人がたくさんいるっていう環境のせいなのかもしれないけど、官僚の存在はそんなに遠く遠くの天上の人ではないんですよね。専門用語で早口の雰囲気も、感情表現の薄い感じも、巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)チームの若手中心とした官僚チームの雰囲気も、ゴジラを倒した後のあの一仕事終えた感じも、すごく親近感が湧きましたよ。後から調べたら実際に官僚への取材の時の録音テープを俳優さんに聞かせて雰囲気を再現したとのことで、本当に感心しました(こちらの記事より)。
マスコミにしても評論にしても「庶民感覚」というのをあまりにも金科玉条にしていて違和感を感じますね。官僚の不手際や保身をチェックし指摘するのも重要ですが、やたらめったらと「大衆蔑視」であると責め立てておけば良くなると信じている節には全く賛同できません。
ゴジラ(幼体)による被災地視察のシーンで、パッと見てすぐに記者会見、みたいなシーンがありましたが、激務に追い回されて全ての現場を逐一直接知ることのできないもどかしさ、それでも次々と行動を取らなければいけない切羽詰まった状況での決断の大変さを感じ取って欲しい。現場を逐一全て見て回ることはできない官僚が、実際にたくさんいて、中央官庁で指揮系統を司る者として彼らなりに精一杯努力しているということへも少しは想像を回したら良いと思います。その上でどうやって問題解決に向かって行動していくのが良いかを考えたらもっと良くなるでしょう。『シン・ゴジラ』は3.11をモデルにしてデザインされた物語として、そんな現場の「現実vs虚構」の一面をわかりやすく映像化していると見てもいいと思います。
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