planetscope blog

  • 2017-01-18

大陸地殻成長の論文アクセプトされました


  昨年11月末にGeoscience Frontiersアクセプトされた僕の論文が、htmlとPDFの形で公開されました。
エルゼビアだけどチャイナマネーのおかげでフリーアクセス✨
Sawada et al. (2016). Secular change in lifetime of granitic crust and the continental growth: A new view from detrital zircon ages of sandstones


世界各地の砕屑性ジルコン年代データをコンパイルして、大陸成長について論じたものです。


1) 砂岩の中のジルコンの年代分布から、大陸の年代構成が約30億年前から現在までどのように変化してきたのかを推定した。

2) 30~20億年前では大陸の平均寿命は短かった(約10億年)。10億年前~現在の大陸の3分の1の期間の地殻しか残らなかった。

3) このような短命な地殻の理由は、大陸のサイズが小さかったためであると考えた。大陸のサイズが小さいと、その縁辺ではプレートの作用で地殻の侵食やリワークが進み、反対に大陸のサイズが大きいと中心部に安定地塊として古い地殻が保存されやすくなるというシンプルなアイデア。
これまでに報告されている地質構造から、約20億年前に急速に大陸のサイズが大きくなり現在に匹敵するような大きなものになったことが知られている。
それ以前、30~20億年前には、小大陸(前の指導教員との相談で、Embryonic continent 萌芽的大陸と名付けました)がほとんどであった。
さらにもっと遡って30億年前以前では更に細かく、伊豆・小笠原諸島のような細長くほとんど海水面から出ていない大陸地殻ばかりであった。
(本文中ではもう少し細かく、32億年前と18億年前を境界としています)

4) そういうわけで、さらにコンパイル結果と地質をあわせて考察を入れていった結果、20億年前以前は昔ほど大陸地殻は「多産多死」で、20~10億年前に「多産少死」となり大陸が急成長し、最近10億年間は「少産少死」で少しずつ大陸は減りつつある、という結論になりました。

かなり単純化して話を作ってるので、細かい所は色々とツッコミがはいるでしょうけど、大筋では地球史における大陸成長ってこんなもんだろうなーという土台として機能する論文だと思います。

色々と海外のエラい人がチョイチョイ想像(妄想)していたようなことを、砕屑性ジルコンのデータコンパイルっていう物証を元にして綺麗にまとめることができた上で新しい大陸観を打ち出せたと思います。

引用されたらいいなーー。

これで一安心、ってわけではないです。ようやく修論の半分が論文になっただけなので、次々に出していかないと。

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Author:てるてる
沢田 輝
(@Hikaru_Sawada @IWKRterter)
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東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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