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  • 2017-02-04

さよなら足立日記 エピソード2 こちらとあちらの境界-学びピア21


  足立区は荒川放水路を隔てて南北に大きく別れており、南側が北千住、北側が足立主部だ。

南側の北千住はかつての日光街道の宿場町であり、日本国の首都である東京にも近く、最近では住みたい街ランキングの上位に入ってくるなど、きわめて文明度が高い街である。
一方、足立区北側こそが本物の足立である。本物の足立に渡航する際に必要な準備や手続きはまた機を改めて筆を執る予定だ。

今回のテーマはまなびピア21という千住と足立主部の境界に位置する建物のお話である。

まなびピア21は荒川放水路の南岸にそびえ立ち、マンションとともに足立区立中央図書館や放送大学キャンパスなどが一体化した足立区の教育施設である。
まなびピア21 中央図書館 建物の外観

この中央図書館こそが、いま私が東大駒場キャンパス近くに引っ越すことになった起点であると言って過言ではない。

時遡ること十余年、中学生くらいの時からこの足立区立中央図書館は使い込んでいた。
読んでいたのは、ほとんど地球科学や鉱物学の本だ。

足立区とは言え、この中央図書館には文明が行き届いている。
小学生までは、本といったら北千住ルミネの丸善か、小学校の小さな図書室くらいしか知らなかった。
中学生になり、この足立区立中央図書館という新たな本の大鉱脈に出会ったのである。

もともと中学1年生から鉱物マニアとなり(この経緯は面白いので別の記事で)、そこから1、2年は本当にたくさんの情報を吸引した。
はじめは鉱物の本から、次第に横においてある岩石や地質の本まで。


そして中央図書館で出会ってしまった本。
プルームテクトニクスと全地球史解読



今思うと素晴らしい本だ。まずタイトル。厨二病真っ盛りの中学生の心に突き刺さるには十分すぎるほど鋭利なタイトルだ。
もちろん、タイトルだけではない。未解明な点の多い地球史研究や全地球的なダイナミクスは読んでて本当に面白かった。
研究者になろうと決めたのも、東工大に行こうと決めたのも、丸山茂徳なるレジェンドの存在を知ったのも、全てこの一冊を手に取ってしまったからと言って過言ではない。

というわけで、足立区立中央図書館に何かしらの恩返しをせねばなるまい。
そこで私は中央図書館リサイクル本コーナーに注目した。
まなびピア21 中央図書館 リサイクル本コーナー

右端にがさっと置いてきた本、というか雑誌たち。
まなびピア21 中央図書館 リサイクル本コーナー 地学雑誌や地質学雑誌

地学界隈の日本語でIFが一番高い()ことで有名な地学雑誌と、PDFでリンク送ってくれればいいのに郵送で紙媒体で送ってくるから会費の値段がいつまでも下がらないことで有名な地質学雑誌と、あとは学部の頃の教科書の残骸みたいな明倫館書店でも売ることのできないような本である。

いやたしかに、ゴミになるべき存在だったものだけど、けっしてゴミを押し付けたわけじゃないんだ。

まなびピア21 中央図書館 リサイクル本コーナー 地学雑誌
誰かさんが退職の際の大掃除で捨てた地学雑誌。サイン入り。
恩返しに僕が初めてその存在を知った図書館にそっと置いてきた。
誰かが手にとって地球科学に興味を持ってくれたらいいですね。

まさに、僕の足立区人生において、この足立区立中央図書館はこちらとあちらの境界だった。
本もそうだし、大学受験では勉強時間の多くをここの世話になったし、今こういう形で足立を出ることになったのも、この学びピア21という足立主部と千住の境界にそびえ立つ建物によるものだったのだろう。

あちら側へ、さよなら足立。
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Author:てるてる
沢田 輝
(@Hikaru_Sawada @IWKRterter)
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(館長のブログ)

東京大学広域科学専攻D2(駒場キャンパス)
博士課程より、東京工業大学地球惑星科学専攻から移籍しました。
地球惑星科学のなかでも、大陸地殻の成長と進化などといったテーマの地質学・地球化学あたりの研究をしてます。

中学から鉱物コレクションをはじめて早くも15年くらい、鉱物学から地球科学全体へ興味が広がっていって今こうなってしまったという感じの院生です。
石の話や、大学の話、学問とか関係ない雑記も適当に書いていきます。

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